
最近では低価格の回転寿司が増えたことで、お寿司を食べる敷居が一段と低くなって、子供でも気軽に食べられるようになりました。
一昔前までは、お寿司・お刺身の一番人気といえば「マグロ」!というイメージが強かったのですが、ここ何年かでの回転寿司店一番人気は「サーモン」にとって代わられています。
マルハニチロ蒲lが毎年調査している「回転寿司に関する消費者実態調査2016」
(http://www.maruha-nichiro.co.jp/news_center/research/)
調べでも「よく食べているネタ」「最初に食べるネタ」「シメに食べるネタ」全てで1位となり三冠を達成しました。
また「よく食べるネタ」では2012年調査から5調査連続1位となり、過半数を超える(51.8%)人気ぶりです。
こどもから大人まで大人気の「サーモン」ですが、あれ?サーモンって鮭のことですよね?え、鮭とは違うの?という疑問も生まれます。
今回は「サーモン」「サケ」「シャケ」にまつわる話と、美味しい鮭「ルイベ」「秋鮭」「時知らず」、幻の鮭「鮭児(ケイジ)」など美味しい鮭の情報をサラッとご紹介します。
「サーモン」と「鮭」は同じなの?
サーモンと鮭は同じ意味です。
鮭は英語でsalmon(サーモン)です。
一般的には、養殖されている鮭をサーモンと呼んでいる、と思っていただいていいでしょう。
これで終わりでもいいのですがもう少し詳しく話をすると、ちょっと面倒なことに、ここに「マス」という魚が登場します。
「ニジマス」とか「鱒寿司」でおなじみのマスです。
簡単に言うとこの「マス」も「鮭」も「サーモン」も、もともとは同じ魚です。
昔、日本ではサケ科の魚類のことをひっくるめて「マス」と呼んでいました。
川で釣れるヤマメやイワナも、もともとはマスなのです。
その内「シロザケ」だけを「鮭(サケ)」と呼ぶようになりましたが、日本でいう「鮭」と「マス」には明確な区分は無く曖昧です。
そして、回転寿司などで良く食べられている「サーモン」は「シロザケ」ではないので「マス」という事になります。
「マス」は英語でtrout(トラウト)です。
よく見かける「トラウトサーモン」はマスを海で養殖させた魚なのです。
なので、最初に言った「サーモンと鮭は同じ意味」は、実はマスと鮭と違うのですが、明確な区分が無いので、やっぱり「同じ意味」になりますね。
細かく言うとたくさんの種類があり、キリがありませんので、同じ魚だけど国産は鮭、輸入物はサーモンと呼んでる位の感じでも良いのではないでしょうか。
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「サケ」と「シャケ」
みなさんは「サケ」「シャケ」どちらで読んでいますか?
正解はどちらでしょうか?なにか違うのでしょうか?
説は幾つかあって、一つは「方言」です。
いわゆる江戸っ子の江戸弁は「サ行」がうまく発音することができず、「シャケ」とナマって読まれていたのが関東に広まった説や、西日本でも「シャケ」と読まれていた説もあります。
また生きている鮭を「サケ」、食べられる状態の鮭を「シャケ」と読む説もあります。
それから生の切り身を「サケ」、シャケフレークや塩ジャケなど加工したものを「シャケ」と読む、という説もあるようです。
そういわれれば、状態によってはどちらも使いますね、サケ漁やシャケ弁とか。
方言から始まって、状態によって使い分けている、といった感じでしょうか。
おいしい鮭大集合
ルイベ

http://shiretoko-funaki.jp/kuchiguro.html
北海道の郷土料理で、アイヌ語で融けた食べ物のことを「ルイベ」といいます。元は秋から冬にかけて捕った鮭を雪に埋めて冷凍保存し、食べる時は火であぶって融かしながら塩で味わいます。
冷凍によって保存性が高まる事と、サナダムシやアニサキスという寄生虫を殺す目的がありました。
寄生虫は加熱するか冷凍するかで死ぬので、刺身でも食べられるように凍らせて食べる工夫をしました。
居酒屋や通販でも見かけるこのルイベは、口の中でトロッと解けてとても美味しいです。
秋鮭(あきあじ)

https://www.sato-suisan.co.jp
秋に一斉に北海道の川を上ってくる鮭のことを秋鮭(あきさけ、あきあじ)と言います。
9〜10月の旬の味として昔から親しまれ、冬の間の貴重な食料として重宝されていました。
産卵が近いので身の脂は少ないのですが卵(筋子)を腹いっぱいに抱えて遡上します。
時鮭(ときしらず)

https://www.sato-suisan.co.jp
時知らずとは、ロシアの川に遡上する予定の鮭が日本の領海内を通るときに定置網漁などで水揚げされた鮭です。5月から7月に獲られるので、本来の秋と時をまちがえた鮭という意味で「ときしらず」と呼ばれています。
本来の漁獲時期より早く水揚げされた「ときしらず」はまだ若い鮭で、とにかく脂がのっているそうです。秋鮭と比べて脂の量が3倍から4倍もあり、生で食べるとその脂から「鮭の霜降り」という状態でいただけるし、焼いて食べると焼いたそばからジュっと旨みたっぷりの脂が染みだすという、忘れられない味なんだそうです。
私は食べたことが無いのですが、それは時知らずが「幻の鮭」と呼ばれるほど希少で貴重な鮭なのです。
鮭児(ケイジ)

https://www.sato-suisan.co.jp
時知らずより更に希少で貴重な鮭がこのケイジです。
鮭の児(こ)と書く鮭児は、まだオスメスの判断もつけづらい子供の鮭で、回遊中にたまたま秋鮭の漁猟と一緒に獲れるものです。
脂をしっかりと蓄えている。
通常の鮭の脂身が体の2〜15%程度に対して、鮭児は20〜30%脂を含んでいて、まさに全身トロ状態。頭を打ち抜かれるほどの旨さです。
しかし、漁獲量は普通のサケ1万匹に対して1 - 2匹程度で、こちらも「幻のサケ」といわれて入手が困難な超高級魚です。
まとめ
最近では時知らずや鮭児はテレビでも多く取り上げられ、ネットショップなどでも入手できるようになりました。
ただ、そんな「幻の鮭」がカンタンに手に入るものなのでしょうか。
「ニセケイジ」が出回る問題もありましたが、これだけ高額でも売れることがわかった漁師さんたちが、今まであまり気にしていなかったこれらの鮭を、注意深く仕分けするようになり水揚げが増えたという説もあります。
いずれにしても、こういった貴重な魚を時々で良いので味わってみたいものですね。
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