2016年11月03日

冬魚代表フグ、その種類は?毒があっても食べたい絶品料理、なぜ河豚と書く?フグの話

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出典:https://ja.wikipedia.org/

秋もだんだんと深まってくると、美味しい魚がどんどん登場しますね。
これは冬を中心に旬を迎える魚が多いからなのですが、特に絶品の美味しさになる「フグ」。
「フグ」といえばあのプクッと膨らむ姿や、毒をもっているらしい、ということを連想されるのではないでしょうか。
それとも刺身の王様ふぐ刺し、鍋の王様ふぐちりなどの絶品高級料理の美味しさでしょうか。

そんな美味しく不思議な「フグ」についてサラッと解説します。

フグについて


フグは漢字で川のブタ「河豚」と書きます。これは中国語でも同様に書き、そこから由来しています。
海で獲れる魚なのになぜ「河(川)」なのかというと、昔中国の揚子江や黄河などの河川にでよく獲れた「メフグ」というフグを食べるのが普通だったからということです。

「豚(ブタ)」はというと、釣り上げた時にフグは豚のように体をプクッと膨らませることや、「ブーブー」という鳴き声のような音を立てることから来ているという説が一般的です。

「鰒(フグ)」という漢字も使われますが、これを「アワビ」と読むこともあります。アワビは「鮑」の漢字の方がよく使われますね。紛らわしいから「河豚」をよく使うようになったという所でしょうか。

そんな名前がついたゆえんでもあるプクッと膨らむあの姿。
英語でも同じく「pufferfish(ふくらむ魚)」と呼ばれていて、ストレスや危険を感じた時に、敵を驚かせたり大きく見せることで身を守るため、特殊な胃に空気や水を吸い込んで体を2〜4倍以上に膨らます習性があります。
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出典:http://animals.nationalgeographic.com/

フグには猛毒がある


フグは350を超す、とてもたくさんの種類が確認されています。カワハギやマンボウも実は「フグ目」という種類に属していますが、通常は「フグ目フグ科」に分けられる魚を「フグ」と呼んでいます。フグ科には120種類のフグがいるのですが、その多くのフグが体に「テトロドトキシン」という毒を持っています。

この毒は猛毒で、食べてしまい中毒になり放っておくと大変なことになります。

口や舌端の軽いシビれ→歩行困難、頭痛や腹痛→運動麻痺、嘔吐、知覚麻痺、言語障害→全身麻痺、呼吸困難及→意識消失、呼吸停止

こんな症状になり、最後は死んでしまうこともあります。
フグに毒があるという事が世間に知られた現代でも、中毒事故になる事があります。
これは、趣味で行う釣りで釣り上げたフグを、知識なく自分で調理して食べてしまうことによる事故が多くの原因となっています。
間違っても釣ったフグは自分でさばいて食べたりしないでね。

でも、もちろん一般的に売られているフグやお店で食べるフグは安全で美味しくいただけます。
なぜ安心といえるのでしょうか?


フグはがっちり管理されている


それは、フグを売る人、料理する人には免許が必要だからです。

多くの種類があるフグは、毒を持っている部位も種類によって違うため、どこの部位が食べられて、どこの部位に毒があるかを分かっていないとさばくことも売ることもできません。そこで、免許制にしてその知識を学科試験で確認したり、実技試験で腕前をチェックし、合格した人だけが調理を行い販売することを許されます。

また、取り出した毒のある部位の処理についても、決められた場所にある、鍵のかかる金庫に入れ、冷凍した後に焼却処分するなどの決まりに従ってがっちり管理されています。

これだけ厳重に管理されているおかげで、私たちは美味しいフグをいただくことができるのです。

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毒も独特フグの紹介、食べられないフグも


それではどんなフグがいて、どのフグが美味しく、どこに毒があるのでしょうか。
数多い種類のフグから、いくつかの種類をサラッとご紹介します。

食べられるフグ

■マフグ
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出典:http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/

体長45cm前後のフグで、多くの量が出回っていることから比較的お安く手に入ります。
トゲが無いなめらかな体のフグであることから、地方では「ナメタ」とも呼ばれています。

毒は肝臓、卵巣、目、皮、腸にありますが、筋肉と精巣は無毒です。

■トラフグ
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出典:http://www.zukan-bouz.com/

体長70cm前後の高級フグで、フグの横綱と呼ばれています。その味は絶品ですが、お値段も一流。特に天然もののトラフグの価格は、全ての魚の中でも一番と言われるほど。

毒は肝臓と卵巣にありますが、筋肉と皮、精巣を食べることができます。

■カラス
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出典:http://www.fugu-kanagawa.jp/

体長50cm前後の中型種で、トラフグに似ていますが黒い尻ビレで区別されます。
トラフグの代用として食べられていましたが、今ではトラフグに次ぐ高級フグとなってしまいました。

毒は肝臓、卵巣にありますが、筋肉、皮、精巣は無毒で食べることができます。

■シロサバフグ
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出典:http://www.fugu-kanagawa.jp/

体長30cm前後のフグで、フグの中では安く出回っています。
多少水っぽく、生での旨みが少ないため、から揚げや煮付けが向いています。

シロサバフグは全身毒が無い数少ないフグと言われていますが、念のため加食部の筋肉、皮、精巣を食べることをお勧めします。

■クロサバフグ
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出典:http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/

体長35cm前後のシロサバフグに似たフグで、こちらもお安く手に入ります。
やはり味の方は他のフグより落ちてしまいます。

こちらも無毒と言われていますが、猛毒を持ったクロサバフグが南シナ海で獲れたという報告もあるので、安心して食べられる筋肉、肝臓、皮、精巣、腸をお勧めします。

■コモンフグ
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出典:http://www.fugu-kanagawa.jp/

体長25cm前後の小さなフグ。比較的お安く手に入り味も良い事から、お勧めする人も多いです。

しかし毒の部位は多く肝臓、卵巣、精巣、皮膚、腸に毒があり、可食部は筋肉のみとされています。
また、岩手県の越喜来湾と釜石湾、宮城県雄勝湾で獲れたコモンフグは食べてはいけないと厚生労働省が発表しています。

■ゴマフグ
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出典:http://www.fugu-kanagawa.jp/

体長45cm前後のフグで、背中にゴマ模様があるフグらしい姿のフグですね。
たまにまとまって獲れるフグですが、安定して出回らないので価格も不安定です。

毒は肝臓、卵巣、皮、腸にありますが、筋肉、精巣を食べることができます。
しかし石川県や福井県などで、毒のあるはずのゴマフグの卵巣をぬか漬けにして食べています。
この「河豚の卵巣の糠漬け」はなぜか毒が抜け、厚生労働省からも認可が下りているそうです。

■シマフグ
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出典:http://www.zukan-bouz.com/

体長60cm前後になり、鮮やかな黒と白のしま模様と黄色いヒレのコントラストが美しいフグです。
お値段も比較的お安く、大きくて美味しくお勧めです。

毒は肝臓、卵巣、腸にありますが 筋肉、精巣、皮を食べることができます。

■ショウサイフグ
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出典:http://www.fugu-kanagawa.jp/

体長体長30cm前後の中型のフグ。日本中で獲れることから昔から親しまれ、安くて美味しい庶民的なフグ。レジャーで行う釣りの対象となるフグです。

毒は肝臓、卵巣、皮、腸などにありますが、 筋肉、精巣を食べることができます。

食べられないフグ

■ドクサバフグ
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出典:http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/

体長45cm前後の中型フグで、無毒と言われるシロサバフグやクロサバフグにとても似ているサバフグの仲間。

全身に強い毒をもっていて、食べられる部位がありません。他のサバフグに非常に似ていることから、よく食中毒の事故が発生していました。
以前は輸入の魚に混じっていましたが、最近は日本の周辺でも獲れてしまう、やっかいなフグです。

■ナシフグ
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出典:http://www.fugu-kanagawa.jp/

体長25cm前後の日本でも獲れるフグ。その味はトラフグに次ぐ美味しさと評判でしたが、輸入されたナシフグで食中毒事故が発生したため1993年、全国でトラフグの販売が中止されました。
今では一部の地域で獲れたナシフグは販売ができるようになりましたが、何の処理もしないそのままの魚の丸(マル)といわれる状態での販売は今だに禁止されています。

■コモンダマシ
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出典:http://www.fugu-kanagawa.jp/

体長20cm前後の小型フグで、コモンフグによく似ています。
しかし、筋肉が有毒なので、コモンフグの様に食べることができません。
さらに他の部位についての毒性がよく分かっておらず、食べてはいけないフグとして指定されました。

まとめ


いかがだったでしょうか。
あの有名な美食家の北大路魯山人(きたおおじろさんじん)をもってしても「フグ食わぬ非常識」(フグを食べない人は非常識な人だ)
「フグのうまさというものは実際絶対的のものだ。ふぐの代用になる美食はわたしの知るかぎりこの世の中にはない。」
まで言わせたほどの絶品、絶対の美味しさをほこるフグですが、同時に魯山人は「フグは食いたし命は惜しし」と言っています。

フグは絶対食べたいけど、毒で死ぬのはイヤだし悩む。。
という心の葛藤が見えますね。

縄文時代の遺跡からフグの骨が出てきたそうです。昔の人は現代ほど毒の部位など分かっていないでしょうから、何人もの犠牲者が出たでしょう。
それから時代が経つたびに、販売禁止になったり解禁になったりを続けました。
それでも、とりつかれたように食べたくなってしまう美味しさのフグは「魔性の魚」と言えるでしょう。

今ではフグの免許を持った専門家がきちんと処理をしてさばいた「身欠き(みがき)」という状態で売っているものを、安心して美味しく頂くことができます。

免許を持っていない方は、決して自分でさばいて食べるなんてことはしないでくださいね。
また、ご紹介した毒部位や加食部位は諸説ありますのでご注意を。

フグ料理としては、とても美味しい代表的なフグの刺身「ふぐ刺し」や鍋の「ふぐちり」をはじめ、ふぐ雑炊、ふぐの唐揚げ、白子ポン酢(フグの精巣)、ふぐのひれ酒などは、正に絶品の味です。

よく聞く「てっちり」は「ふぐちり」の事です。「てつ」は鉄砲の略で、フグの毒に「当たると死ぬ」=「鉄砲」から「鉄砲のなべ」=「てっちり」となったようです。
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出典:http://www.bob-an.com/

命をかけても食べたいほど美味しいフグ。
余裕があるときはトラフグを、普段はお安く食べられるご紹介したフグで冬の味覚を堪能してみてはいかがでしょうか。

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posted by JOHN at 19:28 | Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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