出典:http://www.trueworldfoods.com/
お寿司屋さんでよく見かける「コハダ」。実は正式な名前を「コノシロ」といいます。
「コノシロ」は成長によって名前が変わる「出世魚(しゅっせうお)」と言われています。
でも、出世魚ではない、という考え方もあります。どういうこと?
コハダ、コノシロ、どっちが出世?
そんな「コハダ」「コノシロ」にまつわるお話をサラッと。
コノシロという魚の名前について
コノシロは成長によって名前が変わる「出世魚」です。
出世魚は成長していく体のサイズで呼び名が変わっていきます。コノシロは
およそ4~5cmを「シンコ(新子)」
6~10cmを「コハダ(小鰭・小肌)」
11~14cmを「ナガズミ」
15cm以上を「コノシロ(鮗)」
という風に呼び名が変わっていきます。
出世魚は、ほとんどが最終的に大人の魚になった呼び名が正式名称になります。
なので「コノシロ」が正式名称ということになります。
■コノシロ
出典:http://inshokujuku.jp/shun_kohada/
ただ、コノシロは出世魚ではない、という考え方もあります。
それはコノシロが小さな魚の時、すなわち「シンコ」の時代が、寿司ネタとして一番美味しいとされていて値段も非常に高いのです。1キロあたり4~5万円という値段が付くこともあります。
成長するにつれてだんだん値段が安くなり、コノシロと呼ばれる時期には格安で売られてしまいます。
これでは成長にしたがって出世した、とは言えないですよね。
■シンコ
出典:http://sushi.ha-ji-me.com/
コノシロは古くは「ツナシ(都奈之)」と呼ばれていたようです。
それがコノシロ、という名前になった由来についてはいくつかの説があります。
一つは大漁に獲れたので「飯の代わりにする魚」という意味で「飯代魚(このしろ)」となった説、また昔は出生児の健康を祈って地中に埋めるという風習があり、それがコノシロを子供の代わりに地中に埋めるようになり「児(こ)の代(しろ)」「娘の代」となった説、そして昔話として伝わるエピソードがあります。
「その昔ある国のお金持ちに美しい一人娘がいた。常陸国の国司がその娘を見初めて結婚を申し出たが、娘には恋人がいた。そこで娘思いの親は「娘は病死した」と国司に偽り、代わりに魚を棺に入れて、使者の前で火葬してみせた。その時棺に入れたのが、焼くと人体が焦げるような匂いがするといわれたツナシで、使者たちは娘が本当に死んだと納得し国へ帰り去った。それから後、子どもの身代わりとなったツナシはコノシロ(子の代)と呼ばれるようになった。」
という話からきた説、などがあります。(引用:https://ja.wikipedia.org/)
いずれの説も、昔からいつでも大漁に獲れて、庶民の生活に深く根付いているコノシロという魚ゆえのエピソードですね。
コノシロが普通にコハダと呼ばれるのはなぜ?
コノシロは昔の武士には縁起が悪いとされていました。それは、コノシロを食う→「この城を食う」となってしまうからです。ましてや「この城を焼く」などありえません。
そして、焼くと人間を焼いたような匂いがすること。
また、コノシロを料理する時には腹側から包丁で切り開くため「腹切魚」と呼ばれ縁起が悪いこと、などなどから、江戸幕府が食べることを禁止してしまいました。今では考えられないですね。
ただ昔から身近で親しまれ、その美味しさを知っている庶民は「これはコハダという魚です」と偽って食べていたことから、普通にコハダと呼ばれるようになりました。
その一方では、お正月やお祭りにもよく使われ縁起の良い魚としても扱われていて、「鰶(このしろ)」という漢字も当てられています。
庶民とお上の考え方の違いは、昔からだったんですねー。
スポンサードリンク
コハダの美味さ
「お寿司はコハダに始まり、コハダに終わる」という言葉があります。
江戸前のお寿司屋さん(東京湾で獲れる魚ネタを中心に出すお寿司屋さん)は特にコハダにはこだわりがあって、その店の仕事(実力・レベル)を表すと言われるとても大切なネタであるという意味です。卵焼きと同様に、生の魚を握るだけではなく調理した上で提供するお寿司のおいしさが、その店の職人の力量を測る目安になる、という事です。
コハダの美味しい店は本当にウマイ!私は必ず食べます。
ただ本当の食通の方以外は、あまり通ぶって振る舞わないほうが得策かもですよ。
私も食通ではなくただのコハダ好きですが、美味しいコハダは酢の効いた香りと甘い身の味、独特な食感に思わずうなってしまいます。
比較的に値段のお安いグループという印象の寿司ネタですが、しっかりと仕事がされています。
まとめ
関東地方ではシンコからナガズミまでがよく食べられていますが、コノシロまで成長しても実は身が美味しく、塩焼きや煮物にしてもとても美味しくいただけます。
コハダの旬は8〜9月ですが、6〜7月にはシンコが出回る時期です。
もし出会う機会があれば、すこし贅沢にシンコを頂くのをお勧めします。
今やマグロよりお高い時期もあるシンコですが、幾重にも重ねられた輝くお寿司は芸実品です。
出典:http://sakama.tokyo/
ヒカリ物はあまり、、という方も、良いお寿司屋さんに行く機会があれば是非コハダ、シンコを頂いてみてはいかがでしょうか。
スポンサードリンク
【お魚のはなしの最新記事】
- おいしい辛子明太子 博多で有名なのに親は北の魚ってなんで? めんたいこのお話
- タコの不思議な話 旬も、その実態もとてもヘンで不思議 タコ焼きもビックリ!
- 帰ってきた庶民の魚イワシ、カラダにも財布にもとってもイイネ!イワシの話
- アジは味がいい!庶民の大衆魚から高級魚へ、鯵のアジなお話
- 安い美味い食べやすい焼き魚ホッケ マホッケとシマホッケの違いは?干物なの?ホッ..
- 絶品「のどぐろ」はアカムツだった!でも。。。のどぐろの秘密と超高級魚になった理由..
- お目にかかるのも珍しい、一度は食べたい幻の高級魚、ケイジ、クエ、マツカワ、シロア..
- 魚の王様「鯛」 あやかりタイはタイではない? タイは性転換する?タイの中のタイ ..
- タラバガニにズワイガニ、毛ガニなどいろいろカニの種類と旬、美味しい料理をご紹介 ..
- 甘エビはニューハーフが美味しい?ブラックタイガーはお高い?高級クルマエビやイセエ..
- イクラは作れる!超お得な手作りイクラ、幾らでも食べられるオイシイ作り方
- 冬魚代表フグ、その種類は?毒があっても食べたい絶品料理、なぜ河豚と書く?フグの話..
- カジキマグロはどんなマグロ?図鑑にのってないマグロ、実はカッコよくて美味しいカジ..
- スズキは鈴木さん一族と似て非なり、セイゴ、フッコ、シーバスと七変化のスズキのお話..
- 貝のお寿司定番「アオヤギ」って「バカガイ」が本名なんだ!食べ所満載バカガイのお話..
- 初ガツオ戻りガツオ、カツオはなぜ旬が2回?女房を質屋にいれる?カツオの話
- 秋の代表魚サンマ、美味しいサンマの選び方は?カンタン塩焼きの手順や目黒のサンマな..
- 貝の王様アワビ、どんな種類があるの?その味は?トコブシって?
- ウニ嫌いの原因とは?ウニってトゲトゲの何を食べているの?ウニのお話
- 松葉ガニ、越前ガニ、ズワイガニってどう違うの?カニの美味しいお話

